突然ですが、自分のいびきを聞いたことはありますか?
疲れていたり睡眠不足だったりすると、とくに出やすいいびき。
寝ている間に出るものなので、人のいびきは聞いたことがあっても、自分のいびきを生で聞いたことは、ほぼないですよね。
しかし、近年はIT技術の進歩により、自分のいびきを確認できるようになりました。
突発的ないびきはおおむね問題ないといわれていますが、日常的ないびきは病気の可能性もあります。
今回は、そんないびきの確認方法と対処方法をご紹介します。
1. どうしていびきが出るの? いびきのメカニズムを理解しようそもそも、いびきはなぜ出るのでしょうか。
1-1.睡眠中の呼吸の仕組み睡眠中は脳にある呼吸中枢にコントロールされ、胸やお腹が動いて呼吸を維持します。
この呼吸中枢は、心臓から血液によって運ばれる二酸化炭素などに反応して、呼吸の命令を出す仕組みです。(※1)
また、呼吸中枢は、交感神経と副交感神経によっても調整されます。
交感神経は覚醒状態や慎重な活動のときに優位になり、副交感神経はリラックスや休息時に優位になるといわれています。
ストレスなどで交感神経が優位になったままだと、呼吸が浅く不安定になり、睡眠の質も悪くなってしまうのです。
1-2.いびきの原因となる要因いびきは舌や喉の奥の筋肉が落ちて、寝ているときに喉の奥の空間が狭くなり発生します。
狭くなった喉が空気を無理矢理通過しようとするので、喉が振動して音が出るのです。(※2)
また、いびきが出やすいといわれている特徴は下記の通りです。(※3)
・肥満(首周りに脂肪がついている)・日常的にお酒をよく飲む、寝る前に飲酒する・加齢・閉経による女性ホルモンの減少・ストレスがたまっている・睡眠時に口呼吸をしている(=朝起きたときに口が乾いている)・仰向けに寝ているいびきが気になる人は、まずはこれらに当てはまるか、チェックしてみましょう。
2. 自分は大丈夫? 1人でも確認できるいびきの確認方法
いびき対策は、まずは自分のいびきについて知るところから。
いびきは寝ている間に起こるものなので、自分がいびきをかいているのか、なかなかわからないものですよね。
同居人がいれば、自分のいびきについて聞くこともできますが、1人だとそれも難しいでしょう。
しかし、確認する方法はさまざまあります。
2-1.スマホアプリで録音する
最近は、いびきに関するアプリも多くリリースされています。スマホでいびきを録音できるのはもちろん、分析や対策まで提示してくれるアプリもあります。
疲れているときやその日の体調などでも変化があるでしょう。
まずは毎日使用してみてください。
2-2.病院で検査を受けてみる慢性的にいびきをかいている人のなかには、睡眠時無呼吸症候群や脳血管障害など、早期から治療すべき疾患が原因になっている可能性もあります。(※4)
まずは、スマホアプリでセルフチェックをし、いびきが続いているようなら正確に評価できる医療機関での検査がおすすめです。
3. 運動がいびきに与える影響
いびき対策として、顔の運動が効果的といわれています。
詳しくみていきましょう。
3-1.いびきを軽減するのに必要な筋肉冒頭でもお伝えした通り、いびきの原因のひとつとして舌、喉の筋肉の衰えが挙げられます。
したがって、いびきを軽減するためには、それらの筋肉を鍛えるのが効果的です。
とくに舌を前上方の方向へ引き上げる舌骨上筋群・外舌筋を鍛えると、寝ているときの気道確保に役立ちます。(※5)
3-2.呼吸法やヨガでいびきを軽減
いびきを軽減するためのセルフケアとしておすすめしたいのが、フェイシャル(小顔)ヨガです。
小顔や顔の若返りが目的のヨガですが、口周りや舌を鍛えるといった点では、いびき対策との共通点があります。
また、口周りや舌を鍛えること以外にも、呼吸法を取り入れることもおすすめです。
いびきにはストレスが関係している場合があります。
ストレスがたまるとからだの疲れが取れず、自律神経が乱れて脳に十分な酸素が届きません。
すると、鼻呼吸より一気に酸素を取り入れやすい口呼吸になりやすく、舌が喉に落ち込んで気道が狭くなる可能性があります。
では、具体的に何をすればいいのでしょうか。
〈舌を回す運動〉
口の中で下を回します。歯の表面(なるべく遠く)をなぞりましょう。
左回り・右回りそれぞれ10回ずつを1セットとします。
1セットだけでもかなり舌が疲れますが、可能であれば1日3セット程度実践してみましょう。
〈「あいうべお」体操〉1セットを10回とし、1日3セットが目安です。
〈腹式呼吸〉鼻から息を吸っておなかを膨らまし、おなかをへこましながら口からゆっくり息を吐くことがポイントです。
座りながら、もしくは、仰向けになりながら行い、不安でなければそっと目を閉じます。
ただし、眠るときは仰向けは避けて、できるだけ横向きに寝るようにしましょう。