【薬剤師が解説】もう悩まない!〈体内時計を整えるTIPS〉

2023.10.14

「夜に寝つけず、日中に眠くなってしまう」
「からだがだるく、集中力が低下して食欲もわかない」

そういった不調に悩んでいる方は、体内時計がズレているかもしれません。
不眠はからだの不調と密接な関係があり、大病の原因になることもあります。

今回は、「体内時計を整えるTIPS」と題し、体内時計のズレの原因や、体内時計を整えるセルフケアをご紹介します。




   1. 体内時計の乱れとは?

まず、体内時計について、「役割と重要性」「乱れの兆候」を解説します。


  1-1.内臓の冷えを引き起こす原因
体内時計とは、「生体リズム」「概日リズム」とも呼ばれ、生物が進化の過程のなかで獲得した生理機能です。地球の自転周期・昼夜の変化にともない体内の自律神経を調整するために使われています。

この体内時計が乱れてしまうと、睡眠、心拍数、血圧、体温、血糖のコントロール、ホルモン分泌など、からだのさまざまな機能に影響を及ぼします。


  1-2.乱れた体内時計の兆候
体内時計は、毎朝太陽の光を浴びることによってリセットされます。しかし、不規則な生活により光を浴びる時間がズレてしまうと、日中に活動して夜間に休息するという人間本来の基本リズムが乱れてしまいます。

その結果、昼間に眠くなってしまったり、逆に夜に眠れなくなってしまったり、頭痛や倦怠感、食欲不振など、さまざまな兆候や不調があらわれるのです。




   2. 体内時計の整え方

ここからは、体内時計を簡単に整えられる方法をご紹介します。


  2-1.規則正しい食生活の確立
毎日決まった時間に食事を摂ることで、消化、吸収、からだのリズムも一定になり、体内時計が合いやすくなります。
たとえば、「朝食は7時、昼食は12時、夕食は19時」と決めておき、それを毎日繰り返してみましょう。

間食は控えめにし、やけ食いやながら食いなどは避けてください。夜間は活動量が日中よりも減るため、なるべく夕食は朝食や昼食よりも少なめにしましょう。


  2-2.適切な睡眠環境の整備
入眠しやすい環境づくりで大事なポイントは、室内温度と湿度です。人が快適に感じる温度・湿度は季節によって異なりますが、夏だと26度前後、冬だと17度前後、湿度は50~60%といわれています。

パジャマの素材も大事です。吸水性や吸湿性に優れたコットンや、放湿性も高い麻、肌触りが心地いいシルクがおすすめです。


  2-3.適度な運動とリラックス法の実践
日中の適度な運動は、体内時計のリズムを整えるのに有効です。昼間は交感神経が活発化するように、運動を行いましょう。
水泳、ジョギングなどがおすすめです。

「毎日運動する時間が取れない」という方には、通勤時にひと駅前で降り、エスカレーターを避けて階段を使うなど、身近でできる運動でも大丈夫です。

そして、夜はリラックスを心がけましょう。激しい筋トレは避け、ストレッチや軽めのウォーキングなどにとどめるのがおすすめです。


  2-4.適ストレス管理の重要性
人は物理的・心理的なストレスを受けると、体内でストレスホルモンが分泌されます。このストレスホルモンは、朝がいちばん活発で、昼、夜とどんどん分泌量が低下していきます。そのため、夜はストレス耐性が弱まり、防御機能がはたらきにくくなります。

このストレスホルモンは少なすぎても多すぎても問題で、長期的なストレスを受けると分泌量が過剰になり、副腎も疲労し、からだのリズムが崩れる原因になります。

ストレスとうまくつき合うには、ネガティブな負のスパイラルに陥らないことが肝心です。過去の失敗を何度も思い返したり、物事を何でも否定から考えたりなどのマイナス思考は断ち切りましょう。

自分ひとりで頑張りすぎないことも大事です。メンタルクリニックなど、こころの専門家に相談してみるのも手段のひとつです。



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