【薬剤師が解説】必見!〈食後の眠気を軽減するためのチェックリスト〉

2023.10.21

美味しい食事を楽しんだあと、だるさや眠気に悩まされることがありませんか?

幸せな食事の余韻とは裏腹に、食後の眠気は仕事やプライベートの大敵です。

今回は、食後の眠気のメカニズムから、その原因や特徴、そして効果的な対処法までご紹介します。

食後の眠気が気になる人は、ぜひ記事内のチェックリストを確認してみてください。

食事の工夫、運動、そして漢方薬の活用など、日常に取り入れやすい方法を活用し、活力ある日々を目指しましょう。




   1. 食後の眠気のメカニズムとは?

食後の眠気の原因として「血糖値が上下すること」が挙げられます。

食事を摂ると体内で起こるのが、血糖値の上昇です。
そして、上昇した血糖値に反応して、膵臓からインスリンが分泌されます。

インスリンの役割は、血糖値を正常に戻すことです。
つまり、食事によって一時的に上昇した血糖値は、インスリンが分泌されることで下降し、元に戻ります。

ただし、食事内容や食べ方によって、血糖値が急激に上下する場合があるのです。
たとえば、砂糖や炭水化物の多い食事を摂ると、一度に取り込まれる糖の量が多いため、血糖値が急激に上昇します。
その結果、膵臓が大量のインスリンを分泌し、今度は急激に血糖値が下降。

こうして、血糖値が急激に上下することが、食後の眠気やだるさの原因となるのです。

さらに、食事を摂ると、胃や腸などの消化器官が大量の血液を必要とします。
食べ物を分解し、栄養を吸収するためです。

そのため、食後には消化器官への血流が増加し、ほかの部位への血流が減ってしまいます。

結果として、脳への血流が悪くなり、酸素供給が一時的に低下することで、眠気やだるさを感じやすくなる場合があります。




   2. 食後の眠気を感じやすい人の特徴とは?

ここでは、食後の眠気を感じやすい人の特徴や習慣について、チェックリスト形式でご紹介します。
自分にあてはまるかどうか確認をしてみてください。


  主食の量が多い
ご飯、パン、麺類などの主食を多く摂ると、食後の眠気が起きやすくなります。

主食の多くは炭水化物から出来ており、炭水化物は糖としてからだに取り込まれるためです。
よって、一度に多くの炭水化物を摂ることで、血糖値が急激に上昇しやすくなります。
それに対応して、膵臓からは大量のインスリンが分泌され、血糖値を急激に下げようとします。

こうして血糖値の急激な上下変動を引き起こす原因となり、炭水化物でできた主食を食べ過ぎると食後の眠気が起こりやすくなる可能性があるのです。

  野菜が少ない
食事内容に野菜が少ないと、食後の眠気やだるさを引き起こしやすくなる場合があります。
野菜が少ない食事は、糖の吸収を速め、血糖値を急上昇させやすくするためです。

野菜は食物繊維を豊富に含み、血糖値の急激な上昇を防ぐ役割を果たしています。
よって、野菜が少ない食生活は、食後の眠気を引き起こしやすい習慣といえるでしょう。


  食べるスピードが速い
食べるスピードが速いと、食後の眠気やだるさを引き起こしやすくなります。
食べ物が急激に消化器官へ運ばれ、消化・吸収された糖が一気に血中に送り込まれるためです。

また、食べるスピードが速いと、食べ過ぎてしまう傾向があります。
食後の眠気が起きやすい人は、「おなかいっぱい」とからだが認識する前に食べ過ぎているのかもしれません。


  食べる順番を気にしない
食べる順番も、食後の眠気に影響を与える場合があります。
ご飯、パン、麺類などの炭水化物や、デザートなど甘いものを初めに食べると、血糖値が急上昇しやすくなってしまいます。

食べる順番を気にしていなかった人は、一度振り返ってみましょう。


  甘い飲み物を控える
甘い飲み物は、血糖値を急激に上昇させて、食後の眠気を引き起こす原因となります。
とくに糖分が多く含まれるソフトドリンクや甘いコーヒーなどは、飲むとすぐに血糖値が上昇します。

食事の際にいつも甘い飲み物を飲んでいる人は、食後の眠気を引き起こしやすいといえるでしょう。




   3. 食後の眠気を軽減するための対処法

ここからは、食後の眠気を軽減するためにできる対処法をご紹介します。


  3-1.食事の工夫とバランス
食後の眠気を防ぐためには、食事内容を工夫をすることが重要です。
主食の量を調節し、野菜や食物繊維を充分に摂るよう心がけましょう。

たとえば、夕食に美味しいご飯を楽しむのはいいことですが、量には気をつけましょう。
ご飯の量を減らし、代わりに野菜やたんぱく質を多めに摂ることで、バランスの取れた食事になります。
焼き魚や鶏胸肉、野菜たっぷりのサラダをプラスするといいでしょう。

また、ランチにサンドイッチを食べるなら、具だくさんのサラダも一緒に食べましょう。
物足りないと感じる場合は、鶏胸肉や納豆、ヨーグルトなどのタンパク質を含む食材を組み合わせると満足感を得られます。


  3-2.適度な運動を取り入れる
食後にからだを動かすと、血糖値の上昇が抑えられ、眠気防止となります。
ただし、筋トレなど激しい運動は、消化吸収の妨げとなる場合があるため避けましょう。

ランチ後や夕食後の散歩は、血糖値の上昇を緩和してくれます。
食後に少しでも歩く習慣をつけてみてください。

階段の上り下りや軽いスクワットも有効です。


  3-3.食後のリラックスタイムの活用
どうしても食後の眠気がつらい場合には、一度休みましょう。

椅子に座って深呼吸を行うのがおすすめです。
5秒ほどかけてゆっくりと鼻から息を吸い込み、今度は10秒ほどかけて口からゆっくりと吐き出すことでリラックスする時間をとってみてください。

深呼吸をすることで、脳に酸素が行き渡りやすくなります。
脳に酸素が行き渡れば、ぼんやりしていた頭も次第にスッキリとしてくるでしょう。




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