【薬剤師が解説】甘いものが食べたいときはこれを食べてみて!〈からだがうるおう栄養素〉

2023.09.30

「気づくとつい甘いものに手を伸ばしている」
「甘いものを我慢できないときがある」

こんな悩みを抱えている人、多いですよね。

その欲求は、体内の栄養欠乏に深く関わっていて、健康状態ともつながりがあります。

今回は、甘いものへの欲求をコントロールする方法も含めてご紹介します。




   1. 甘いものが食べたい気持ちのメカニズムとは?

まずは、甘いものへの欲求と、栄養欠乏の関係性を見ていきましょう。


  1-1.日常生活でできる対処法
甘いものを食べたいと思うのには、血糖値とインスリンが深く関係しています。甘いものを食べると、からだが糖質を分解し、血液中の血糖値が上昇します。すると、上昇した血糖値を下げようとインスリンというホルモンが分泌されるのです。

しかし、今度は急激に下がった血糖値をエネルギー不足と判断した脳が、甘いものを食べるように命令を出します。その結果、甘いものをもっと食べたいという気持ちになるのです。

また、甘いものを欲する原因としては、βエンドルフィンやドーパミンも関係しています。どちらも高揚感や幸福感をもたらす神経物質で、脳内麻薬とも呼ばれます。甘いものを繰り返し欲しくなるのには、この2つの神経物質も影響しているのです。


  1-2.体内の栄養欠乏と甘いものへの関連性
体内の栄養欠乏が甘いものへの欲求につながっているケースもあります。エネルギーを生み出す三大栄養素であるタンパク質、炭水化物、脂質のいずれかが不足している場合、甘いものが欲しくなります。

たとえば、チョコレートが無性に食べたくなるときは、糖分不足やマグネシウム不足の疑いがあるのです。

無茶なダイエットなどで生命を維持するのに必要な栄養素まで抜いてしまうと、からだは即効性のあるエネルギー源の糖質を求めようとします。これはからだからのSOSのサインで、いきなり食事制限を行った場合によく起こる現象です。




   2. 甘いものへの欲求をコントロールする方法

甘いものへの渇望を抑え、上手にコントロールするには、食事のバランスが大事です。
食事の栄養のバランスが整えば、極端な甘いものへの欲求も自然と抑えられます。

以下に、甘いものが食べたいときにおすすめの食べものをご紹介します。

・マグネシウム:ナッツ、豆、海藻
マグネシウムは、糖分の代謝に使われるため、糖分を摂取すると体内から失われてしまいやすいミネラルのひとつです。豆類や海藻類から簡単に摂れるため、おやつ代わりにナッツを食べたり、豆腐とわかめをふんだんに使ったお味噌汁を飲んだりするのがおすすめです。

・タンパク質:アサリ、魚、ナッツ、納豆
タンパク質が不足すると脳内物質のセロトニンが不足し、糖分を欲するようになります。アサリや魚などの魚介類、ナッツ、納豆などの豆類を上手に組み合わせ、タンパク質を補給しましょう。

1食に偏らせるのではなく、3食でバランスよくとり入れることが、効率のいいタンパク質摂取の秘訣です。




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