【薬剤師が解説】もう悩まない!〈体内時計を整えるTIPS〉

2023.10.14







   3. 体内時計の乱れに対する対処法

ここからは、体内時計の乱れを改善するために簡単に行える具体的な対処法を3つご紹介します。


  3-1.食事と体内時計の関係
食事と体内時計は密接な関係にあります。朝食はなるべくきちんと摂り、とくにタンパク質の摂取を意識しましょう。
必須アミノ酸のトリプトファンはセロトニンを作る材料になり、セロトニンは睡眠ホルモンのメラトニンを作るために必要不可欠です。

また、朝食には青魚もおすすめです。青魚に含まれるDHAやEPAは、体内時計の乱れのリセット効果を高めてくれます。


  3-2.睡眠の質を向上させるポイント
夕食以降の食事は量を控えめにしましょう。高血糖は眠りを妨げることがあるので、夜間の食事はなるべく避けてください。

就寝前にスマホやテレビを見ないことも大事です。スマホやテレビの光に含まれるブルーライトは、睡眠ホルモンの分泌を抑制してしまいます。なるべく睡眠2時間前には画面から離れ、寝る準備をしましょう。


  3-3.漢方薬での解決方法
「不規則な生活で体内時計が乱れてしまう」
「なかなか睡眠の質が改善できない」

そのような方には、漢方薬の服用もおすすめです。体内時計が乱れる原因は人それぞれ異なりますが、心身のバランスを整えて不眠を改善することで、本来の体内時計のリズムをとり戻すことが期待できます。漢方薬のなかには、「不眠」に効果が認められているものもあります。

不眠に対しては、「自律神経の乱れを整え、ストレスが原因の疲労や睡眠の質を改善する」「いらだちや興奮を鎮めて寝つきをよくする」「血流をよくして中枢神経の機能を回復し安眠に導く」「栄養を全身に届けて、心とからだを元気にする」などの作用をもつ漢方薬で改善を目指し、体内時計の正常化へとアプローチします。

<体内時計を整えたい方におすすめの漢方薬>
・柴胡加竜骨牡蛎湯 (さいこかりゅうこつぼれいとう)
イライラや精神的なストレスから来る不眠の改善に用いられる漢方薬です。気(生命エネルギー)の巡りをよくして、からだにたまった余計な熱を冷まし、高ぶった神経を抑えます。

・加味帰脾湯 (かみきひとう)
不安や疲労感が目立つ方に処方されます。胃腸のはたらきを高め、生命エネルギーと栄養を補い、不眠を改善します。血色が悪く、貧血傾向の方にもおすすめです。


漢方薬は体質との相性がとても大事です。からだとの相性がよくないと、漢方薬の本来の効果が出ないどころか、副作用が起こる場合もあります。
漢方薬を服用するときは、きちんと体質を見極められる医師や薬剤師に相談してみましょう。




   4. 体内時計を整えて健康的な生活を送ろう!

体内時計は心身のバランスを保つからだの重要な機能です。体内時計を整えることにより、ホルモン分泌が安定し、睡眠の質も高まるなど、さまざまなメリットがあります。

まずは規則正しい生活習慣を身につけ、体内時計を整えていきましょう!





<この記事を書いた人>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いから、オンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=22z33zc0lafa0120
●Medical Health CH:https://www.youtube.com/channel/UC7XLi90xVGs_NnKhowC0G2w

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