【薬剤師が解説!】あなたはどのタイプ?倦怠感の原因と対処法

2024.09.13



からだの疲れが取れない、毎日だるくてやる気が出ない……そんな悩みを抱えていませんか? 倦怠感はさまざまな理由で起こるため、改善するには理由にあった対処法をとることが大切です。倦怠感の原因や対処法をあんしん漢方の山形ゆかりさんにうかがいました。






   1. 倦怠感が起こる理由

倦怠感とは、身体的だけではなく精神的なものも含め、からだのだるさや疲れやすさを感じる状態のことをいいます。長時間の仕事や運動の後でも倦怠感を感じることがありますが、多くの場合、しっかり休養を取ることで回復します。

しかし、しっかり休んでも疲れが取れなかったり、普段の生活を送っているだけなのに毎日だるさを感じたりする場合には、注意が必要です。倦怠感を引き起こす要因としては、以下のようなことが考えられます。

・働き過ぎや運動のし過ぎによる過労
・睡眠不足
・栄養素やエネルギーの不足
・加齢
・精神的なストレス

他にも、風邪やインフルエンザなどによる体力の消耗や、筋肉や神経の不調、柔軟剤や整髪料などに含まれる化学物質の影響など、さまざまな要因が考えられます。

慢性的な倦怠感は貧血や心肺の疾患などが原因の場合もあるため、軽視せず注意しましょう。





   2. 倦怠感の原因と対処法

倦怠感の原因はさまざまです。原因とその対処法を4つ紹介します。

  2-1. 栄養不足
食生活が乱れ、栄養が不足したりバランスが悪くなったりすると、倦怠感が起こりやすくなります。

からだのエネルギー源となるのは、三大栄養素である「炭水化物」「脂質」「タンパク質」です。さらに、これらの栄養素を体内でエネルギーに変換するためには、ビタミンB群などの栄養素も必要になります。このエネルギーに変換するサイクルは「TCAサイクル(クエン酸回路)」と呼ばれます。

エネルギー源をたくさん摂取していても、ビタミンB群など他の栄養素が不足しているとTCAサイクルをうまく回すことができません。これにより、十分にエネルギーを作り出せず、疲れやすくなってしまうのです。

食事を抜いたり、栄養バランスに偏りのあるものばかり食べたりしないよう注意し、バランスのいい食生活を心がけましょう。



  2-2. ストレス過多
過度なストレスも倦怠感を引き起こす原因のひとつです。

ストレスによって自律神経が乱れると、交感神経が優位になり興奮や緊張した状態が続きます。休息時には副交感神経が優位になりますが、ストレスによって副交感神経の働きが低下してしまうことで、十分に休息を取れず、疲れが取れにくくなってしまうのです。

ストレスをため込まないようにするには、趣味に没頭する、1日ゆっくり休むなど、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。

簡単にできるストレス解消法としては、深呼吸やストレッチがおすすめです。不安や緊張が高まってくると、気が付かないうちに呼吸が浅くなります。深呼吸をすることで、交感神経の興奮が抑えられて副交感神経が優位になり、リラックスしやすくなります。

また、仕事などで長時間同じ体勢でいることが多い場合には、1時間に1回肩を回すなど、ストレッチをすることがおすすめです。ストレッチをすると脳やからだの血流を増やすことができ、リラックス効果が期待できます。



  2-3. 運動不足
運動不足によって心肺機能や新陳代謝が低下しやすくなることも、疲れやすくなる原因のひとつです。適度な運動をして運動不足を解消することで、倦怠感の軽減につながります。

激しい運動をする必要はなく、まずはストレッチや散歩、階段を使うなど、生活の中に取り入れやすいことから始めていきましょう。慣れてきたら、スクワットを追加するなど、徐々に運動量を増やすのがおすすめです。

ただし、過度な運動はむしろ倦怠感を引き起こす可能性があるため、やり過ぎには注意してください。



  2-4. 睡眠不足
睡眠不足も、倦怠感を引き起こす原因です。

睡眠中には成長ホルモンなどが分泌され、全身をメンテナンスして脳とからだの疲労を回復させます。しかし、睡眠不足によってこのメンテナンス機能が低下すると疲れが取れず、朝起きても疲れが残っている状態になってしまうのです。

また、睡眠のリズムが崩れると、寝つきが悪くなり、眠りが浅くなることがあります。からだと脳の疲れを癒し回復するには深い眠りが重要であるため、眠りが浅くなるとからだの疲れが取れにくくなってしまうのです。

睡眠不足対策のためには、睡眠時間を確保するのと同時に、睡眠の質を高めることが重要です。以下のように寝る前の行動を工夫して、睡眠の質を高めていきましょう。

・就寝の1〜2時間前に入浴する
・夜にコーヒーや紅茶などカフェインを摂らない
・就寝前にスマホやタブレットを触らない





   3. 倦怠感の改善には漢方薬もおすすめ

倦怠感の改善には、食事や運動、睡眠などの生活習慣の改善や、ストレス解消を行うことが大切ですが、忙しくて取り組めなかったり、続かなかったりすることもあるでしょう。

そんな方には、医薬品として倦怠感に効果が認められている漢方薬がおすすめです。漢方薬は倦怠感に対して、足りない栄養を補うだけでなく、消化・吸収の機能を改善し、必要なところに栄養を届ける手助けをしていくので、根本から疲れやだるさの改善を目指すことが可能です。

漢方薬を試してみたい方のために、倦怠感の改善におすすめの漢方薬をご紹介します。

<倦怠感の改善におすすめの漢方薬>
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
食欲不振で体力がないと感じる方におすすめです。消化機能の働きを高めて倦怠感を改善し、からだに気力を充実させます。

・五苓散(ごれいさん)
倦怠感やのどの渇き、むくみ、めまい、吐き気、頭痛、などにお悩みの方におすすめです。水分代謝を改善して、滞ったからだの水分を循環させ、余分な水分の排出を促します。

漢方薬は体質に合っていないと効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。症状や体質に合う漢方薬を自分で選ぶのは難しいため、購入時には、できる限り漢方に詳しい医師・薬剤師などに相談してください。

お手頃価格で不調を改善したい、という方にはスマホで気軽に薬剤師に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスもおすすめです。AIと漢方のプロが効く漢方を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。


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   4. 生活習慣を見直して疲れにくいからだを手にいれる

倦怠感を引き起こす原因は、過労やストレス、生活習慣の乱れなどさまざまです。

運動習慣をつける、バランスのいい食生活をするなど、生活習慣を見直すことで倦怠感の改善を目指せます。いきなり生活習慣を改善するのは難しい場合には、ストレッチや深呼吸など、すぐに始められる対策もあるため、まずはできることから始めることが大切です。

倦怠感から解放され、疲れにくいからだを手に入れましょう!



<参考サイト>
※1 日本高血圧学会「一般向け「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子 高血圧の話」
※2 日本高血圧学会 「減塩・栄養委員会」
※3 小池有美ほか「息こらえや深い呼吸が血圧,脈拍,瞳孔機能に及ぼす影響について」


<この記事を書いた人>

あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=22z33zc0lafa0147&utm_source=lafarfa&utm_medium=referral&utm_campain=240910



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