PMDDとは?PMSとの違いや症状、診断基準や治療方法について解説!

2024.08.02



生理前に不調が起こるPMS(月経前症候群)という言葉を耳にしたことはありますか。

PMSのなかでもとくにメンタルの不調が続く場合、PMDD(月経前不快気分障害)と診断されることがあります。明確な原因はわかっていないものの、PMDDは診断基準が定められていて治療方法も確立されている病気です。

そこで、今回はPMDDについてPMSとの違いや症状、診断基準や治し方をご紹介します。






   1. PMDDとは

先述の通り、PMDDは「月経前不快気分障害」といいます。名前の通り、生理前にさまざまな精神状態に陥り、日常生活に支障をきたす病気です。

  1-1.PMDDの主な症状
PMDDの症状は生理の約1〜2週間前から始まり、生理が始まるとともに落ち着いていきます。主な症状は以下のものが挙げられます。

・感情の制御ができなくなる
・相手に対して攻撃・暴力的になる
・気分の落ち込みや絶望を感じる
・緊張感や不安によってパニックになる
・ひどく疲れる
・睡眠トラブルが起こる
・食欲が止まらなくなる
・集中力がなくなる


  1-2.PMDDの原因
PMDDになる原因は、正確にはわかっていませんが、女性ホルモンの変化が影響している説が有力です。

生理周期に伴い、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌量は変化します。これが、気分の調整に関わるセロトニンやGABA(γ-アミノ酪酸)に影響を及ぼしている、というものです。(※1)


  1-3.PMDDの診断基準
PMDDの診断基準は、次のようになっています。

<期間>
・1年間ほとんどの生理周期で症状が出る。または、2か月間続けて症状が出ていて、今後も続くと予想される。
・生理前(黄体期)に症状があらわれ、生理が始まるとともに改善する。

<以下に当てはまる症状がある>
A
1. 突然悲しくなる、涙もろくなるなど情緒が不安定になる
2. イライラして怒りを抑えられない、人間関係のトラブルが増える
3. ひどく気分が落ち込んで、自分を責める
4. ひどい不安・緊張感や、気持ちがたかぶる感覚がある

<さらに、以下に当てはまる症状があり、Aと合わせると5つ以上になる>
B
1. 仕事や学校、友だちや趣味に対して無関心になる
2. 集中力がなくなる
3. 疲れやすく、活力がなくなる
4. 食べ過ぎや、特定の物を食べ続ける
5. 寝過ぎてしまう、または眠れなくなる
6. 威圧される、自分をコントロールできなくなる感覚がある
7. バストの痛みや腫れ・関節痛・筋肉痛・膨満感・体重が増えるなどの症状がある

これらに該当し、症状のせいで日常生活や対人関係に支障が出てしまうときにPMDDと診断されます。


  1-4.PMDDとPMSの違い
PMSには怒りっぽくなるなどの精神症状と、頭痛などの身体症状があります。

この症状のうち、気分の落ち込みやイライラなどの精神的な症状がとくに強く出てしまうのがPMDDです。





   2. 私は大丈夫?PMDDセルフチェック項目

「もしかしたらPMDDかも?」と感じている方もいるのではないでしょうか。あなたの感じている症状がPMDDか、セルフチェックをしてみましょう。

先述の「PMDDの診断基準」にあるA・Bリストを使い、ここ1年間の生理前1週間に当てはまる症状にチェックしてください。チェックが終わったら、次の5つの質問にYESかNOで答えてみましょう。

1. A・Bリストで少なくとも、1つずつ該当する症状はありますか。
2. チェック項目は合計5つ以上ですか。
3. ここ1年間ほとんどの生理で、生理前に少なくとも症状が5つありますか。症状は生理が始まると、落ち着くか消えますか。
4. 症状があるとき、日常生活が難しくなりますか。
5. 他の精神疾患が悪化したものではないと考えられますか(PMDDと精神疾患は共存することもあるので、おかしいと感じたら医療機関を受診しましょう)。

もし5つの質問すべてに「YES」と答えたとしたら、PMDDの可能性があります。



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