春が近づくにつれ、全国的に花粉が飛散し始め、花粉症の方にとってはつらい時期が到来します。
しかし、花粉症は早めに対策しておけば、ほとんど気にならないレベルにまで症状を和らげることができるのです。
病院に行って診察を受けて薬を処方してもらうのが面倒……という方も、日々の生活を工夫したり、ドラッグストアで市販薬を購入したりすることでしっかり対策ができます。
そこで今回は、簡単にできる花粉症対策やドラッグストアでの市販薬の選び方について薬剤師が解説します。
1.花粉症は早めの対策が大事!花粉症の対策は、花粉が本格的に飛散し始める前から始めることが大事です。予防的な対策をすることで、あらかじめ症状を抑えることができるといわれています。
その理由や対策を始めたい時期について、詳しくご説明します。
1-1.症状が出始めてからの対処では遅い?花粉症の症状である鼻水・鼻づまり・くしゃみ・目のかゆみなどは、一度症状が出ると粘膜が敏感になるため、長引いたり悪化したりしてしまいます。
そのため、花粉症対策は症状が出てくる前から始め、予防することが大事だと考えられています。
1-2.いつから対策すればいい?スギ花粉は全国的に1月下旬から飛散し始めるため、スギ花粉症の方は1月中から対策を始めるのがおすすめです。
ただし、北海道の花粉シーズンは気候の関係でほかのエリアよりも遅いため、2月中〜3月初めから対策を始めましょう。
とはいえ、スギ花粉の飛散ピークは北海道で3月中旬〜5月中旬、東北で3月〜4月中旬、関東から中国・四国は2月下旬~3月下旬、九州は2月~3月上旬なので、北海道以外のエリアでも2月からの対策スタートで遅すぎることはありません。
2.即効性あり! 今日からできる花粉症対策市販の薬を飲む以外に、日々の生活のなかでもさまざまな花粉症対策をすることができます。そこで、おすすめの対策をご紹介します。
2-1.空気清浄機と加湿器毎年花粉症に悩まされている方は、部屋に空気清浄機と加湿器を置きましょう。
空気清浄機は空気中に舞っている花粉やハウスダストを除去し、加湿器は室内の湿度を上げることで花粉の飛散を抑えることができます。
最近は加湿機能がセットになった空気清浄機も多く販売されていますよ。
2-2.鼻うがい
鼻うがいとは、生理食塩水(水100ccあたり塩0.9gを混ぜる)で鼻の中を洗うことです。鼻の奥に侵入した花粉を洗い流すことで、花粉症の鼻症状を和らげる効果が期待できます。
ただし、水で鼻うがいをすると鼻が痛くなってしまうので注意しましょう。生理食塩水を用意しなくても、ドラッグストアで鼻うがい用の商品が販売されています。
2-3. メガネとマスク外出時にメガネとマスクを装着することで、目・鼻・口への花粉の侵入をブロックできます。メガネは花粉症対策用のゴーグルタイプだとより効果的です。
普段コンタクトレンズを使用していて、花粉症シーズンに目がかゆくなったり充血したりする方もいるかもしれません。シーズン中はメガネにして目の負担を減らし、花粉の侵入を防ぎましょう。
3.花粉症対策! 薬はどれを買えばいい?花粉症対策で一番有効なのは、抗アレルギー薬です。
異物である花粉が体内に取り込まれると、免疫システムが過剰に反応し、ヒスタミンというアレルギーの原因物質が多く分泌されることでアレルギー反応があらわれます。
抗アレルギー薬は抗ヒスタミン作用によってそのアレルギー反応を抑えるのです。
抗アレルギー薬は、病院だけでなくドラッグストアでも色々な種類の市販薬が販売されています。
代表的な市販の抗アレルギー薬は「アレグラ」と「アレジオン」です。アレグラもアレジオンも元々は病院でしか手に入らない処方せん医薬品でしたが、近年ドラッグストアでも購入できるようになりました。
両者とも同じ作用・効果を発揮する抗アレルギー薬ですが、それぞれの薬の特徴は以下の通りです。
・アレグラの特徴1日2回服用する必要がある。眠気が少ない。
・アレジオンの特徴1日1回の服用で済む。アレグラよりはやや眠気があらわれやすい。
なお、効果はどちらが強いかとは断言できず、個人差があります。
アレグラのほうが効くという方もいれば、アレジオンのほうが効くという方もいます。ご自身のライフスタイルや好みに応じて選びましょう。
また、これら以外にも多くのメーカーからさまざまな抗アレルギー薬が発売されています。
さらに、内服薬だけでなく、目の症状を抑える抗アレルギー点眼薬や、鼻の中にダイレクトに噴射する抗アレルギー点鼻薬もあります。
ドラッグストアで何を購入すればいいのか迷ったら、まずは薬剤師や登録販売者に相談しましょう。
4.花粉対策には眠くなりにくい漢方薬もおすすめ「抗アレルギー薬は副作用が心配」「アレルギー体質の改善を目指したい」という方は、漢方薬がおすすめです。
抗アレルギー薬は症状を抑える対症療法であるため、花粉症の根治はできません。
漢方医学では花粉症へのアプローチとして、鼻水や鼻づまり、くしゃみなどを治す治療と、アレルギー体質を改善する治療の2種類があると考えます。
また、漢方医学で花粉症は、体内の水分バランスが乱れ、 鼻や目などに水分がたまりやすくなることで起こるとされています。さらに、花粉症の時期にむくみやすい方がいますが、これも水分の乱れが原因です。
漢方薬は花粉症のさまざまな症状を改善することを得意としており、自然由来の生薬であるため、眠気などの副作用がほとんどなく安全性が高いことが特徴です。そのため、老若男女、長期間安心してお飲みいただけます。
加えて、漢方薬には膨大な種類があるので、花粉症の諸症状にも細かくアプローチすることができます。ここでは、症状別に代表的な漢方薬をご紹介します。
<花粉症対策におすすめの漢方薬>・小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
くしゃみやサラサラした鼻水が出る方に水分代謝を整え、からだを温め、主にくしゃみや鼻水の症状を和らげます。
・葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)
鼻づまりやネバネバの鼻水が出る方に体内に停滞した水を発散し、血の巡りを良くし、鼻の通りを改善します。
・越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)
目のかゆみや充血が強い方にからだの中の熱や炎症を発散し、水分代謝を整えることで、目の炎症症状や鼻のアレルギーに応用されます。
漢方薬は自分の体質に合っていなければ、良い効果が見込めないだけでなく副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるためにも、購入時には、できる限り漢方に詳しい医師、薬剤師にご相談ください。
「お手頃価格で不調を改善したい」という方には、スマホで気軽に薬剤師に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスもおすすめです。AIと漢方のプロが効く漢方を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。
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5.今からでも遅くない! 万全に対策をして花粉を撃退しましょう現在2月なので、花粉シーズンの到来まであとわずかです。目や鼻に花粉の気配を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
花粉症対策は、花粉が本格的に飛散して症状が一気に出てくる前から始めることが大切です。
今回お伝えした対策や薬の選び方を参考に、花粉に振り回されない快適な春を目指しましょう。
▼女性特有のお悩み関連記事 まとめ
https://lafarfa.jp/pages/detail/pms_womens-worries
<この記事を書いた人>薬剤師 浅田麻希2009年に薬剤師免許を取得。有名皮膚科クリニックで研修を受けたのち、門前薬局で勤務。また、漢方専門病院にて漢方医師の指導を受けながら東洋医学の知識を深める。漢方でダイエット・妊活成功の経験あり。
現在は健康・美容や東洋医学に関する知識を活かし、薬剤師ライターとして漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。
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