静かな場所で突如こみ上げてくるゲップ。
食後の会議の発表で、思わぬゲップを鳴り響かせないためにできることを、あんしん漢方の薬剤師である中田 早苗さんにうかがいました。
1. ゲップが出るメカニズムとは?
ゲップとは、胃や食道の空気が逆流し、口から排出される生理現象です。体内にたまった余分な空気を吐き出すために起こると考えられています。
飲みこんだ空気が胃の中にたまると、胃の上部が広がり、胃と食道の間にある下部食道括約筋、上部食道括約筋という部分が開くことにより、ゲップが起こります。また、それとは別に、胃ではなく食道から出るゲップも。
健康な方でもゲップは出ます。ゲップ自体がからだに害を及ぼすことはありませんが、病気由来のものもあるので、ゲップの量が異常に多い場合は注意が必要です。
続いては、ゲップがどんなときに出るのかを解説します。
2. ゲップが出るのはどんなとき?
ゲップは、食事とともに空気を飲みこんだときに起こりやすく、早食いの方にとくに見られます。また、炭酸飲料を飲んだあとにゲップが出やすくなるのも有名ですよね。
加齢もゲップの原因になります。胃の内容物が逆流しないように防ぐ役割を持つ下部食道括約筋のはたらきが加齢によって弱まることで、ゲップが増えることがあります。
また、ストレスなどによる胃腸のはたらきの低下が、ゲップの原因になっている場合も。
病気由来のゲップもあります。胃食道逆流症、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんといった病気でも、胃の不調によりゲップの回数が増えることがあります。
ゲップがあまりにも異常な回数で出るようなら、医療機関の受診を考えてみましょう。