【まぐたん】気になる過去・現在・未来に迫る! History of Models 前編

1997年10月20日生まれ、26歳。埼玉県出身。2022年5月号デビュー。150cmの低身長をいかしたコーデをはじめ、どんなテイストも着こなす。弾けたイメージのあるまぐたんだが、実はしっかりした考えの持ち主。これまでの道のり、プラスサイズを含む多様性への思いに耳を傾けてみよう。

プラスサイズモデルは多様性のひとつ 自分を愛そう!! 誰も置いていかないよ

異文化や洋楽に触れて育ち踊りがコンプレックスを変えた

 家族は飲食店を営むパパと以前は歌手だったフィリピン人のママ、11歳上のお兄ちゃんの3人。幼少期からぽっちゃりしていたのは、小さく生まれたことを心配した両親がいっぱい食べさせてくれたから。欲しいお菓子も大抵は買ってもらっていた。
 ママに連れられてフィリピンの家へ帰ると、親戚にはLGBTや障がいのある人などもいて、見た目で人を判断しないのが当然。そんな環境で育ったまぐたんだが、小学校に入ると「私は周りと違う」と感じるように。男子に体型をいじられても何とか言い返していたが、ダンスレッスンに通いだした3年生のころから本格的に体型で悩み出した。「ママの英才教育のおかげで音楽は大好きでした。でも私はデブで運動神経も悪いからバカにされていると思い込んでしまって……。最初は辞めたかったですね」。心持ちが変わったキッカケは、K-POP。女性アイドルたちのパフォーマンスに憧れ、家でコピーすることにハマった。全身で表現する楽しさを覚えたまぐたんは、徐々にダンススタジオでも本領を発揮するように。「低学年の子たちをまとめる立場になったことも大きかったです。してほしいことはまず自分から相手にしよう、と考えて行動するようになりました」。発表会の日「あんなに太ってたらステージが壊れちゃう(笑)」などと言う陰口が聞こえてきた。「以前なら傷ついたけど、その時初めてむしろデブが踊れたらカッコいいじゃん、見てろ!って本当の意味でポジティブに思えたんです。それからは人一倍勉強も頑張るようになりました」

「夢を叶えることが親孝行」と一度は諦めた自己表現の道へ
 中学校では体型をいじられることがなくなった一方、家ではパパが大病で倒れてしまう。憔悴するママを前に、まぐたんは「私がしっかりしないと。ファッションの専門学校へ行きたい、なんて言っている場合じゃない」と思った。ファッションが好きになったのは、洋服好きなママの影響。小学生で雑誌『KERA』系のネオパンクファッションに目覚め、中学の時は森ガールやダンサー風、高校時代は古着でサブカル風と、多彩なテイストを渡り歩いた。こだわりは体型を味方にすること、人とかぶらないこと、プチプラでおしゃれに見えること。将来はスタイリストやデザイナーになりたい。だが、家計を考えて商業高校へ進学。「すぐにバイトを始め、定期代や教科書代も自分で払っていました。お金を稼ぐのって大変だけど、面白いと学びましたね」
 高校卒業後は家族を支えるつもりだったが、進路を決めるタイミングでパパに背中を押され「親孝行の本質は夢を叶えた姿を見せること」だと気づく。卒業後は、第一歩として原宿でショップ店員として働いた。「いつか自分のブランドを作るために知名度や発信力が必要。太っている自分がやれば周囲に影響を与える」というマインドが育ち、ずっと続けているダンスに力を入れるようになる。振り付けや演出なども手がけ、視野は演技やモデルにも広がっていった。以前は「背が低いから受からない」と諦めたラファモへ応募する気持ちになった。

気になる続きは1/9(火)アップの後編で!
まぐたんの思い出の1枚~幼少期~

ふっくらした頬に面影がある2歳当時の姿。家族旅行にて赤ちゃんのころ、両親に挟まれて。遅くできた一人娘なのでとびきりかわいがられた。

【まぐたん SNS情報】






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Photographs/Ken Ogawa
Edit&Text/Yuriko Hayashi
※このページはすべてモデルの私服です。

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