【薬剤師解説】毎日が楽しすぎる!脳の幸せホルモン「セロトニン」UP術

2022.01.20

「なにか気になることがあると、すぐ不安になってしまう......」
「夜にぐっすり眠れず、最近なぜか食欲が増している気がする......」

このようなお悩みは、ストレス社会で頑張る日本人に起こりやすいメンタル不調かもしれません。メンタルが安定していないときは、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」が不足している可能性が大いに考えられます。

メンタル不調が招く睡眠不足や過食などは、ずっと綺麗でありたいと願う女性にとって、今すぐ改善したい問題ですよね。

そこで今回は、毎日を楽しく快適に過ごすための「セロトニンを増やす生活習慣や食生活」をご紹介します。



 1.幸せホルモン「セロトニン」とは?
「セロトニン」とは
「セロトニン」は、精神を安定させるはたらきがあり、リラックス感や幸福感をもたらすため、幸せホルモンといわれています。

そんなセロトニンが不足するとどうなるか、以下で詳しくご紹介します。


 1-1.セロトニンが不足するとどうなる?
セロトニンが不足すると、からだにどのようなサインがあらわれるのでしょうか。以下に、セロトニン不足で起こりやすい症状を示します。

・夜の睡眠時間が長くなる
・日中に眠気を感じやすい
・落ち込みやすい
・イライラしやすい
・炭水化物や甘いお菓子を強く欲する
・午後から夜にかけて食欲が増す

セロトニンは、神経を興奮させる「ノルアドレナリン」や快感を増幅させる「ドパミン(ドーパミン)」の分泌をコントロールして、気持ちを安定させる役割を担っています。

また、睡眠ホルモンである「メラトニン」を作る材料でもあるため、睡眠の質にも影響をもたらします。

そのため、セロトニンの分泌量が減ると、感情のコントロールや睡眠・覚醒リズムが不安定になるのです。



 2.セロトニンを増やす生活習慣のポイント

セロトニン不足は、ストレスや疲労の蓄積、睡眠不足、女性ホルモン(エストロゲン)の減少が関係しているといわれています。

さまざまな要因からセロトニンの分泌が妨げられてしまうため、日頃からセロトニンを増やすセルフケアを行うことが大切です。

ここでは、セロトニンを増やすための生活習慣のポイントを3つご紹介します。

 2-1.朝日を浴びる
朝日を浴びる
朝起きたらカーテンを開けて、朝日を浴びましょう。セロトニンは、太陽光を浴びることで分泌されるため、日照時間とセロトニン分泌量とには深い関係があると考えられています。

体内時計は25時間周期で動いており、太陽光を浴びることで日中はセロトニン、夜はメラトニンが多く分泌され、地球の周期(24時間)とのズレを調整しています。

そのため、朝日を浴びるという習慣は、正しい時間にセロトニンやメラトニンの分泌量を増やし、感情のコントロールや睡眠・覚醒リズムを安定させてくれるのです。

 2-2.リズム運動をする
リズム運動をする

セロトニンは精神の安定に関わるホルモン。つまり、こころとからだのリズムをとっている、ということです。

リズム運動とは、筋肉の収縮と弛緩を周期的に繰り返す運動のことで、セロトニン分泌を促す効果があるといわれています。
たとえば、ガムの咀嚼や腹式呼吸(ヨガ、座禅など)、ウォーキング、軽いジョギング、自転車こぎなどが挙げられます。

リズム運動は以下のポイントを踏まえて行いましょう。


<リズム運動のポイント>
・1日10分以上30分まで
セロトニンは、リズム運動を始めて5分ほどたってから分泌されます。その後20分〜30分でピークに達し、その状態が2時間ほど続きます。

リズム運動は適度な時間、無理のない程度に行いましょう。短すぎても長すぎても効果は期待できません。

・基本的に毎日継続する
リズム運動は無理のない程度に、数週間から数か月継続しましょう。セロトニンを分泌する神経を鍛えるには、継続することが大切です。


 2-3.グルーミングをする
グルーミングをする
セロトニン分泌を促すには、「グルーミング=毛づくろい」が必要といわれています。

グルーミングとは簡単に言うと、他人や動物とのスキンシップを指しており、ストレス緩和や幸福感、意欲アップなどの効果が期待できます。

グルーミングを行うと、愛情ホルモンと呼ばれている「オキシトシン」が分泌され、このオキシトシンがセロトニンの分泌を誘発するのです。以下に、グルーミングの方法を示します。

・友人や家族とおしゃべりする
・ペットをなでたり親しい人と触れ合ったりする
・ボランティアなどの社会奉仕活動をする
・整体やマッサージに行く

グルーミングのポイントは、直接顔を合わせて触れ合うこと。メールやSNSを使ったやり取りでは、オキシトシンもセロトニンも分泌されません。自分に合った方法でセロトニン分泌を促していきましょう。




 3.セロトニンを増やす内側ケアのポイント

セロトニンは、食べものや飲みものなどを工夫することでも増やすことができます。以下に、セロトニンを増やすのに役立つ飲食物を紹介します。


 3-1.トリプトファンを含む食材を摂取する
トリプトファンを含む食材を摂取する
セロトニンを増やすためには、セロトニンの材料である「トリプトファン」が必要です。トリプトファンは、体内で生成できないため、飲食物からの摂取が必須になります。

トリプトファンの摂取量の目安は、体重1kgあたり2mg程度とされています。以下に、トリプトファンが多く含まれている食材と100gあたりの含有量を示します。
トリプトファンを多く含む食材
上の表のように、トリプトファンは、豆腐・納豆などの大豆製品やチーズ・ヨーグルトなどの乳製品、そばなどの穀類に多く含まれます。

肉類や魚類にも多く含まれますが、動物性タンパク質にはトリプトファンの脳への移行を妨げる成分「BCAA」も含まれています。そのため、動物性タンパク質よりも植物性タンパク質からの摂取がおすすめです。

動物性タンパク質を摂る場合は、単品で食べるのではなく炭水化物やビタミンB6と一緒に摂りましょう。

セロトニンの分泌には炭水化物やビタミンB6も必要ですので、これらを組み合わせて食べることで効率よくセロトニンを取り入れることができます。



 3-2.セロトニンを増やす飲みものを摂る
セロトニンを増やす飲みものを摂る
「セロトニンを増やしたいけれどお腹がすいていない」
「もっと手軽に摂れるものがほしい」
そんなときは、飲みものから摂取することをおすすめします。

セロトニンの材料であるトリプトファンを多く含む飲みものとして、牛乳や豆乳、飲むヨーグルトなどが挙げられます。

そのほか、ココアもおすすめです。ココアの苦み成分であるテオブロミンは、セロトニンの分泌を促すといわれています。ココアに牛乳や豆乳を足すことで、効率よくセロトニンを増やすことができるでしょう。


 3-3.メンタルを整える漢方を取り入れる
メンタルを整える漢方を取り入れる
「食事や生活習慣を気をつけているが、メンタル面で落ち込みやすい」
「もっと手軽にメンタルを整えたい」
そんな要望に応えてくれるのが、漢方薬です。

漢方薬は症状を抑えるだけでなく、症状を引き起こしている原因に対してもアプローチします。根本的な体質改善が期待できるため、メンタル不調の改善やセロトニン分泌をサポートするのにおすすめです。

また、漢方薬は一般的には西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。そのため、心療内科などでもメンタル不調改善のため、ナチュラルな治療を求める患者様に活用されています。

さらに、バランスの取れた食事や運動を毎日続けるのが難しい場合でも、漢方薬を使った体質改善なら、自分の症状や体質に合うものを毎日飲むだけなので、無理なく続けることができます。

早速試してみたいと思った方のために、「メンタル不調」によく使われる漢方薬をご紹介します。

<メンタルを整えたい方におすすめの漢方薬>
・加味逍遙散(かみしょうようさん)
イライラしやすく疲れやすい、冷えのぼせが気になる方
自律神経のはたらきを整え、血液の生成や巡りを改善します。神経の高ぶりや抑うつだけでなく、肩こり・のぼせ・冷えなどにも効果があり、メンタル不調の改善が期待できます。

・八味地黄丸(はちみじおうがん)
足腰などの冷えや痛み、トイレが近い方
冬の養生に大切な「腎」を補い、気・血・水(きけつすい)の巡りを改善することでからだを温めます。からだ全体に活気や潤いを与えることで、冬のメンタル不調の改善が期待できます。


ただ、からだにやさしい漢方薬とはいえ、自分の体質に合っていなければ、良い効果が見込めないだけでなく、からだへのダメージを与える場合もあります。

自分に合う漢方薬を見つけるためにも、購入時には、できる限り漢方に詳しい医師、薬剤師にご相談ください。

お手頃価格で不調を改善したい、という方にはスマホで気軽に薬剤師に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスもおすすめです。AIと漢方のプロが、効く漢方を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。

●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=22z33zc0lafa0036




 4.セロトニン分泌をアップさせて快適な生活を送ろう
セロトニン分泌をアップさせて快適な生活を送ろう
幸福感をもたらす脳内ホルモン「セロトニン」。メンタルを整えるためには、セロトニンが不足しないような生活習慣を送ることが大切です。

メンタル不調がでやすいとされる「春」に向けて、今からセロトニンを出して予防していきましょう。



▼女性特有のお悩み関連記事 まとめ
女性特有のお悩み関連記事 まとめ
https://lafarfa.jp/pages/detail/pms_womens-worries



<この記事を書いた人>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 杉岡 弥幸
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 杉岡 弥幸
薬剤師。北里大学で生薬学を学び、卒業後は大手漢方専門店にて漢方薬剤師として勤務。現在は自身のダイエット経験や健康に関する知識を活かして、漢方や養生による体質改善方法をWeb等で発信している。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=22z33zc0lafa0036

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