日本酒入門 ぽちゃこの酒道〈part2〉「わたしにぴったりの日本酒が知りたい!」編

2020.01.17



診断結果はこちらです。



山口:だし巻きがお好きな方は旨みが強いもの、プレーンはすっきりとしたもの、甘いものはそのまま甘味が強い日本酒を選ぶとしっくりくるはずです。お店の方に「旨みが強いものをください」といった感じにオーダーするといいと思います。

好きなおやつがメロンや白桃の方は、吟醸系と言われる華やかな香りの日本酒、梨やイチジクが好きな方はみずみずしくすっきりとした本醸造がおすすめ。おはぎやおかきといった米菓子が好きな方は、お米の香りを感じられる純米酒がいいと思います。

ラベルやメニューを見て「吟醸」とか「本醸造」、「純米」と書いてあるので注目してみてください。卵焼きとおやつの組み合わせで、ももさんは①の無濾過生原酒というお酒が好みだとわかります。前回に引き続き教材で使用させてもらっている「十日町市酒米研究会」に参加されている酒蔵のお酒で選ぶなら、新潟第一酒造さんの「越の白鳥かめくち一番」や松乃井酒造場さんの「スーパー本醸造」がおすすめです。

「スーパー本醸造」は、名前ではわかりづらいのですが無濾過生原酒。しかも、「本醸造」でありながら製造過程で「吟醸酒」の酵母が使用さているので、香りは華やかという特徴があります。旨みたっぷりで香りも楽しめる。「だし巻き派」プラス「もも好き」のももさんにぴったりです(笑)。


<十日町市酒米研究会とは…>
日本を代表する米どころ、新潟県の魚沼地方に位置する十日町市の農家と魚沼地方にゆかりのある8つ酒蔵が高品質な酒米を作るために立ち上がったプロジェクト。日本屈指の豪雪地で水にも恵まれたこの地域で、地の米と地の水をつかった本当の"地酒“づくりに取り組んでいます。

もも:美味しい! ふわっとフルーティーな香りがします。確かに度数は強めの感じ。お酒を飲んでるなぁって感じがする。

山口:甘党のえんどぅーさんにおすすめなのは、とろみのある熟成酒。今回だと八海醸造さんの「八海山 貴醸酒」ですね。

えんどぅー:瓶(写真左側)がシックですね。いい意味で日本酒っぽくない感じ。

山口:日本酒は水で仕込みますが、貴醸酒は水の代わりに日本酒で仕込むので、より甘く濃い風味が特徴。デザートワインのようなイメージで飲めると思います。こういうタイプは、ロックもおすすめですよ。

えんどぅー:確かに! 甘酒と同じくらいの甘みを感じます。ロックいいですね。日本酒が得意じゃなくても飲みやすくて美味しい!

山口:あとは日本酒独特の風味が苦手な方はスパークリングタイプをぜひ。白瀧酒造さんの「上善如水 スパークリング」も試してみてください。

えんどぅー:前回飲んだやつだ! やっぱり香りも華やかでシャンパンみたいで美味しい!

山口:お二人の美味しいが聞けてよかったです。「〇〇というお酒が好きなんですけど、似たものありますか?」といったようにお店の人に訊けると、自分好みの日本酒を選べる確率が高まります。


では、好みがわかったところで、日本酒選びに覚えておくといい「純米酒と本醸造酒」、「吟醸と大吟醸」の違いだけ勉強しましょう。

◆「純米酒と本醸造酒」

「純米酒と本醸造酒」の違いは、アルコールを添加しているかそうでないかです。

・純米酒は「お米と米麹だけでつくられているお酒」

・本醸造酒は「純米酒にアルコールを添加しているお酒」

それぞれ、

・純米→お米そのものの甘みや旨みがよく出るお酒

・本醸造酒→すっきりと飲みやすく、華やかな香りのお酒 という特徴があります。

 

◆ 「吟醸と大吟醸」

どちらも「ゆっくり吟味して醸造した」という意味があり、違うのは日本酒造りに使われる酒米をどれだけ削ったか。一般的には、

・吟醸酒は、酒米を40%以上削ったもの

・大吟醸酒は酒米を50%以上削ったもの という差があります。


一般的に、酒米は削るほど雑味がなくなり、よりフルーティーになります。なので、吟醸酒よりも大吟醸酒の方が華やかな香りのことが多いです。

もも:吟醸と大吟醸とか、どんな違いがあるのか知らなかったけど、ちょっと単語が読みとけると風味のイメージがつきやすくなるね!

山口:この4つの単語だけは覚えておくと便利ですよ。ただ、先入観を持たずに楽しんでほしいという思いで、あえてこういった単語をラベルに書かないお酒も増えてきました。こだわりすぎず、いろいろ試してみてください。

 

次回は、お食事メニュー別に合わせやすい日本酒をレクチャーします!

日本酒入門 ぽちゃこの酒道〈part3〉「日本酒と料理の美味しい組み合わせを知りたい」編

 

2月28日(金)『日本酒入門 ぽちゃこの酒道』の飲食型トークイベント中止のお知らせ
2/28開催予定だった『日本酒入門 ぽちゃこの酒道~新潟魚沼地方ゆかりの地酒とグルメで乾杯♪~』は、新型コロナウイルスの感染拡大のリスクが高まったため、参加者の方の健康・安全面を考慮し、イベント開催を中止することとなりました。
楽しみにしていた皆さま、大変申し訳ございません。

※すでにイープラスおよびピーティックスで前売りチャージ券をご購入された方には、メール等で払い戻しのご案内をさせていただきます。前売りチャージ券の払い戻しに関する質問等は、東京カルチャーカルチャーへお問い合わせください。
東京カルチャーカルチャー http://tokyocultureculture.com/


 ■ぽちゃこの酒道スペシャル講師■

山口直樹さん
1981年東京都生まれ。バーテンダーからキャリアをスタートし、「ワインソムリエ」の資格を取得。その後日本酒の資格「きき酒師」、さらに難易度の高い「酒匠」、日本ソムリエ協会主宰の「SAKEディプロマ」を取得するなど、カクテルからワイン、日本酒の魅力を伝えられる「お酒のプロ」として活躍の幅を拡げる。現在は【和食日和 おさけと】の代表を務め、開業からわずか一年で都内5店舗にまで拡大中。

■今回協力してくれたお店


和食日和 おさけと 神保町

〒101-0054東京都千代田区神田錦町3-16 五十嵐ビル1F

https://gfvn502.gorp.jp/

 

写真/原地達浩

取材・文章/岡島梓